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司法書士 民法 問15

 

 次の対話は,解約手付が授受された売買契約に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。

教授: 買主が売主に手付を交付している場合において,売主は,買主に口頭で当該手付の倍額を償還する旨を告げてその受領を催告すれば,売買契約を解除することができるでしょうか。

学生:ア 売主は,買主に手付の倍額の償還を口頭で告げ受領を催告するだけでは,売買契約を解除することはできません。売買契約を解除するためには,売主は,買主に対して手付の倍額を現実に提供する必要があります。

教授: 買主は,自己が契約の履行に着手した後も,手付を放棄して契約の解除をすることができますか。

学生:イ 買主は,自己が履行に着手した場合でも,売主がまだ履行に着手していなければ,契約の解除をすることができます。

教授: 履行に着手するとはどのような意味か,説明してください。

学生:ウ 履行に着手するとは,客観的に外部から認識し得るような形で履行行為の一部をなし,又は履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をしたことを意味します。

教授: 例えば,第三者所有の不動産について売買契約が締結された場合に,売主が当該第三者から当該不動産を買い受けた上で代金を支払い,買主に譲渡する前提で当該不動産の所有権移転登記を受けたときは,売主は履行に着手したといえますか。

学生:エ そのような売主の行為は,履行の準備行為にすぎず,履行に着手したとはいえません。

教授: 買主が売買代金債務の履行期の到来前に売買代金の提供をした場合は,履行に着手したといえますか。

学生:オ 売買代金の提供が履行に着手したといえるためには,その当時履行期が到来していることが必要です。したがって,履行期前に売買代金の提供をしても履行に着手したということはできません。

 

  1. アイ
  2. アオ
  3. イウ
  4. ウエ
  5. エオ

出典:令和2年度 午前の部 第18問

解答・解説

解答

 5

解説

  1. 売主は,買主に手付の倍額の償還を口頭で告げ受領を催告するだけでは,売買契約を解除することはできません。売買契約を解除するためには,売主は,買主に対して手付の倍額を現実に提供する必要があります。 ⭕️
    準備中

  2. 買主は,自己が履行に着手した場合でも,売主がまだ履行に着手していなければ,契約の解除をすることができます。 ⭕️
    準備中

  3. 履行に着手するとは,客観的に外部から認識し得るような形で履行行為の一部をなし,又は履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をしたことを意味します。 ⭕️
    準備中

  4. そのような売主の行為は,履行の準備行為にすぎず,履行に着手したとはいえません。 ❌
    準備中

  5. 売買代金の提供が履行に着手したといえるためには,その当時履行期が到来していることが必要です。したがって,履行期前に売買代金の提供をしても履行に着手したということはできません。 ❌
    準備中

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