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SA 令和3年度春期 午後Ⅱ 問2

 

情報システムの機能追加における業務要件の分析と設計について

 現代の情報システムは,法改正,製品やサービスのサブスクリプション化などを背景に機能追加が必要になることが増えている。
 このような機能追加において,例えば,新サービスの提供を対外発表直後に始めるという業務要件がある場合,システムアーキテクトは次のように業務要件を分析し設計する。

1.新サービスの特性がどのようなものなのかを,契約条件,業務プロセス,関連する情報システムの機能など様々な視点で分析する。

2.新サービスは従来のサービスと請求方法だけが異なるという分析結果の場合,情報システムの契約管理機能と請求管理機能の変更が必要であると判断する。

3.契約管理機能では,契約形態の項目に新サービス用のコード値を追加して,追加した契約形態を取扱い可能にする。同時に請求管理機能に新たな請求方法のためのコンポーネントを追加し,新サービスの請求では,このコンポーネントを呼び出すように設計する。

 

 このような設計では,例えば次のような設計上の工夫をすることも重要である。

・対外発表前にマスタを準備するために,契約形態のマスタに適用開始日時を追加し,適用開始前には新サービスを選択できないようにしておく。

・他のシステムに影響が及ばないようにするために,外部へのインタフェースファイルを従来と同じフォーマットにするための変換機能を用意する。

 

 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムの機能追加について,対象の業務と情報システムの概要,環境の変化などの機能追加が必要になった背景,対応が求められた業務要件を,800字以内で述べよ。

設問イ 設問アで述べた機能追加において,あなたは業務要件をどのような視点でどのように分析したか。またその結果どのような設計をしたか,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ 設問イで述べた機能追加における設計において,どのような目的でどのような工夫をしたか,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 法改正やサービスのサブスクリプション化などを背景に情報システムの機能追加が必要になることが増えている。
 システムアーキテクトは,このような情報システムの機能追加において,要件を対象業務の制約条件,業務プロセス,関連する情報システムの機能など様々な視点で分析し設計する。
 本問は,情報システムの機能追加で実施した設計について,業務要件の分析の視点と分析方法,設計の結果,設計で工夫したことについて,具体的に論述することを求めている。論述を通じて,システムアーキテクトに 必要な要件の分析及び設計の能力などを評価する。

採点講評

 全問に共通して,自らの経験に基づき設問に素直に答えている論述が多く,問題文に記載してあるプロセスや観点などを抜き出し,一般論と組み合わせただけの表面的な論述は少なかった。一方で,実施事項の論述にとどまり,実施した理由や検討の経緯など,システムアーキテクトとして考慮した点が読み取れない論述も見受けられた。自らが実際にシステムアーキテクトとして,結論を導くに当たり,検討して取り組んだ内容を具体的に論述してほしい。

 問 2 では,情報システムの機能追加における業務要件の分析と,その結果に基づく設計について,具体的に論述することを期待した。多くの論述が業務要件の分析とその設計について具体的に述べていた。一方で,業務要件の分析の視点がなく業務要件そのものを分析結果とした論述や,“要件を実現する設計”だけにとどまり,分析結果に基づく設計とは言い難い論述も散見された。システムアーキテクトは,業務と情報システムを橋渡しする役割を担う。そのため,業務と情報システム双方の視点から業務要件を分析し,分析結果に基づいて設計を進めることを心掛けてほしい。

解答例

構成例

 準備中

論述例
設問ア

 準備中

設問イ

 準備中

設問ウ

 準備中

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