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AP 午前 システム戦略

情報システム戦略業務プロセスソリューションビジネスシステム活用促進・評価

情報システム戦略

 BCPの説明はどれか。

  1. 企業の戦略を実現するために,財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長という四つの視点から戦略を検討したもの
  2. 企業の目標を達成するために業務内容や業務の流れを可視化し,一定のサイクルをもって継続的に業務プロセスを改善するもの
  3. 業務効率の向上,業務コストの削減を目的に,業務プロセスを対象としてアウトソースを実施するもの
  4. 事業の中断・阻害に対応し,事業を復旧し,再開し,あらかじめ定められたレベルに回復するように組織を導く手順を文書化したもの

解答・解説

 

 経済産業省が取りまとめた“デジタル経営改革のための評価指標(DX推進指標)”によれば,DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標において,“ITシステムに求められる要素”について経営者が確認すべき事項はどれか。

  1. ITシステムの全体設計や協働できるベンダーの選定などを行える人材を育成・確保できているか。
  2. 環境変化に迅速に対応し,求められるデリバリースピードに対応できるITシステムとなっているか。
  3. データ処理において,リアルタイム性よりも,ビッグデータの蓄積と事後の分析が重視されているか。
  4. データを迅速に活用するために,全体最適よりも,個別最適を志向したITシステムとなっているか。

解答・解説

 

 エンタープライズアーキテクチャ(EA)を説明したものはどれか。

  1. オブジェクト指向設計を支援する様々な手法を統一して標準化したものであり,クラス図などの構造図と,ユースケース図などの振る舞い図によって,システムの分析や設計を行うものである。
  2. 概念データモデルを,エンティティとリレーションシップとで表現することによって,データ構造やデータ項目間の関係を明らかにするものである。
  3. 各業務や情報システムなどを,ビジネスアーキテクチャ,データアーキテクチャ,アプリケーションアーキテクチャ,テクノロジアーキテクチャの四つの体系で分析し,全体最適化の観点から見直すものである。
  4. 企業のビジネスプロセスを,データフロー,プロセス,ファイル,データ源泉/データ吸収の四つの基本要素で抽象化して表現するものである。

解答・解説

 

 投資効果を正味現在価値法で評価するとき,最も投資効果が大きい(又は損失が小さい)シナリオはどれか。ここで,期間は3年間,割引率は5%とし,各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。

単位 万円
シナリオ 投資額 回収額
1年目 2年目 3年目
A 220 40 80 120
B 220 120 80 40
C 220 80 80 80
投資をしない 0 0 0 0
  1. A
  2. B
  3. C
  4. 投資をしない

解答・解説

 

 事業目標達成のためのプログラムマネジメントの考え方として,適切なものはどれか。

  1. 活動全体を複数のプロジェクトの結合体と捉え,複数のプロジェクトの連携,統合,相互作用を通じて価値を高め,組織全体の戦略の実現を図る。
  2. 個々のプロジェクト管理を更に細分化することによって,プロジェクトに必要な技術や確保すべき経営資源の明確化を図る。
  3. システムの開発に使用するプログラム言語や開発手法を早期に検討することによって,開発リスクを低減し,投資効果の最大化を図る。
  4. リスクを最小化するように支援する専門組織を設けることによって,組織全体のプロジェクトマネジメントの能力と品質の向上を図る。

解答・解説

 

 エンタープライズアーキテクチャの“四つの分類体系”に含まれるアーキテクチャは,ビジネスアーキテクチャ,テクノロジアーキテクチャ,アプリケーションアーキテクチャともう一つはどれか。

  1. システムアーキテクチャ
  2. ソフトウェアアーキテクチャ
  3. データアーキテクチャ
  4. バスアーキテクチャ

解答・解説

 

 業務システムの構築に際し,オープンAPIを活用する構築手法の説明はどれか。

  1. 構築するシステムの概要や予算をインターネットなどにオープンに告知し,アウトソース先の業者を公募する。
  2. 構築テーマをインターネットなどでオープンに告知し,不特定多数から資金調達を行い開発費の不足を補う。
  3. 接続仕様や仕組みが外部企業などに公開されている他社のアプリケーションソフトウェアを呼び出して,適宜利用し,データ連携を行う。
  4. 標準的な構成のハードウェアに仮想化を適用し,必要とするCPU処理能力,ストレージ容量,ネットワーク機能などをソフトウェアで構成し,運用管理を行う。

解答・解説

 

 情報戦略の投資効果を評価するとき,利益額を分子に,投資額を分母にして算出するものはどれか。

  1. EVA
  2. IRR
  3. NPV
  4. ROI

解答・解説

 

 共通フレーム2013によれば,企画プロセスで実施すべきものはどれか。

  1. 市場,競合など事業環境を分析し,企業の情報戦略と事業目標の関係を明確にする。
  2. システムのライフサイクルの全期間を通して,システムの利害関係者を識別する。
  3. 人間の能力及びスキルの限界を考慮して,利用者とシステムとの間の相互作用を識別する。
  4. 利害関係者の要件が正確に表現されていることを,利害関係者とともに確立する。

解答・解説

 

 TCOの算定に当たって,適切なものはどれか。

  1. エンドユーザコンピューティングにおける利用部門の運用費用は考慮しない。
  2. システム監査における監査対象データの収集費用や管理費用は考慮しない。
  3. システム障害の発生などによって,その障害とは直接関係のない仕入先企業が被るおそれがある,将来的な損失額も考慮する。
  4. 利用部門におけるシステム利用に起因する,埋没原価などの見えない費用も考慮する。

解答・解説

 

 定性的な評価項目を定量化するために評価点を与える方法がある。表に示す4段階評価を用いた場合,重み及び判定内容から評価されるシステム全体の目標達成度は,評価項目が全て目標通りだった場合の評価点に対し,何%となるか。

システムの評価項目 重み 4段階評価の結果
省力化効果 5 目標どおり
期間の短縮 8 変わらず
情報の統合化 12 部分改善
4段階評価点 3:目標どおり 2:ほぼ目標どおり 1:部分改善 0:変わらず
  1. 27
  2. 36
  3. 43
  4. 52

解答・解説

 

 IT投資ポートフォリオにおいて,情報化投資の対象を,戦略,情報,トランザクション,インフラの四つのカテゴリに分類した場合,トランザクションカテゴリに対する投資の直接の目的はどれか。

  1. 管理品質向上のために,マネジメント,レポーティング,分析などを支援する。
  2. 市場における競争優位やポジショニングを獲得する。
  3. 複数のアプリケーションによって共有される基盤部分を提供する。
  4. ルーチン化された業務のコスト削減や処理効率向上を図る。

解答・解説

 

 IT投資に対する評価指標の設定に際し,バランススコアカードの手法を用いてKPIを設定する場合に,内部ビジネスプロセスの視点に立ったKPIの例はどれか。

  1. 売上高営業利益率を前年比5%アップとする。
  2. 顧客クレーム件数を1か月当たり20件以内とする。
  3. 新システムの利用者研修会の受講率を100%とする。
  4. 注文受付から製品出荷までの日数を3日短縮とする。

解答・解説

 

 共通フレーム2013によれば,システム化構想の立案で作成されるものはどれか。

  1. 企業で将来的に必要となる最上位の業務機能と業務組織を表した業務の全体像
  2. 業務手順やコンピュータ入出力情報など実現すべき要件
  3. 日次や月次で行う利用者業務やコンピュータ入出力作業の業務手順
  4. 必要なハードウェアやソフトウェアを記述した最上位レベルのシステム方式

解答・解説

 

 システム管理基準(平成16年)によれば,情報戦略策定段階の成果物はどれか。

  1. 関連する他の情報システムと役割を分担し,組織体として最大の効果を上げる機能を実現するために,全体最適化計画との整合性を考慮して策定する開発計画
  2. 経営戦略に基づいて組織体全体で整合性及び一貫性を確保した情報化を推進するために,方針及び目標に基づいて策定する全体最適化計画
  3. 情報システムの運用を円滑に行うために,運用設計及び運用管理ルールに基づき,さらに規模,期間,システム特性を考慮して策定する運用手順
  4. 組織体として一貫し,効率的な開発作業を確実に遂行するために,組織体として標準化された開発方法に基づいて策定する開発手順

解答・解説

 

 エンタープライズアーキテクチャにおいて,業務と情報システムの理想を表すモデルはどれか。

  1. EA参照モデル
  2. To-Beモデル
  3. ザックマンモデル
  4. データモデル

解答・解説

 

 システム管理基準(平成16年)によれば,組織全体の情報システムのあるべき姿を明確にする計画はどれか。

  1. 開発計画
  2. 事業継続計画
  3. 全体最適化計画
  4. 年間運用計画

解答・解説

 

業務プロセス

 BPOの説明はどれか。

  1. 災害や事故で被害を受けても,重要事業を中断させない,又は可能な限り中断期間を短くする仕組みを構築すること
  2. 社内業務のうちコアビジネスでない事業に関わる業務の一部又は全部を外部の専門的な企業に委託すること
  3. 製品の基準生産計画,部品表及び在庫情報を基に,資材の所要量と必要な時期を求め,これを基準に資材の手配,納入の管理を支援する生産管理手法のこと
  4. プロジェクトを,戦略との適合性や費用対効果,リスクといった観点から評価を行い,情報化投資のバランスを管理し,最適化を図ること

解答・解説

 

 物流業務において,10%の物流コストの削減の目標を立てて,図のような業務プロセスの改善活動を実施している。図中のcに相当する活動はどれか。

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  1. CSF(Critical Success Factor)の抽出
  2. KGI(Key Goal Indicator)の設定
  3. KPI(Key Performance Indicator)の設定
  4. MBO(Management by Objectives)の導入

解答・解説

 

 業務プロセスを可視化する手法としてUMLを採用した場合の活用シーンはどれか。

  1. 対象をエンティティとその属性及びエンティティ間の関連で捉え,データ中心アプローチの表現によって図に示す。
  2. データの流れによってプロセスを表現するために,データ送出し,データ受取り,データ格納域,データに施す処理を,データの流れを示す矢印でつないで表現する。
  3. 複数の観点でプロセスを表現するために,目的に応じたモデル図法を使用し,オブジェクトモデリングのために標準化された記述ルールで表現する。
  4. プロセスの機能を網羅的に表現するために,一つの要件に対し発生する事象を条件分岐の形式で記述する。

解答・解説

 

ソリューションビジネス

 SOAの説明はどれか。

  1. 会計,人事,製造,購買,在庫管理,販売などの企業の業務プロセスを一元管理することによって,業務の効率化や経営資源の全体最適を図る手法
  2. 企業の業務プロセス,システム化要求などのニーズと,ソフトウェアパッケージの機能性がどれだけ適合し,どれだけかい離しているかを分析する手法
  3. 業務プロセスの問題点を洗い出して,目標設定,実行,チェック,修正行動のマネジメントサイクルを適用し,継続的な改善を図る手法
  4. 利用者の視点から業務システムの機能を幾つかの独立した部品に分けることによって,業務プロセスとの対応付けや他ソフトウェアとの連携を容易にする手法

解答・解説

 

 テレワークで活用しているVDIに関する記述として,適切なものはどれか。

  1. PC環境を仮想化してサーバ上に置くことで,社外から端末の種類を選ばず自分のデスクトップPC環境として利用できるシステム
  2. インターネット上に仮想の専用線を設定し,特定の人だけが利用できる専用ネットワーク
  3. 紙で保管されている資料を,ネットワークを介して遠隔地からでも参照可能な電子書類に変換・保存することができるツール
  4. 対面での会議開催が困難な場合に,ネットワークを介して対面と同じようなコミュニケーションができるツール

解答・解説

 

 クラウドサービスの利用手順を,“利用計画の策定”,“クラウド事業者の選定”,“クラウド事業者との契約締結”,“クラウド事業者の管理”,“サービスの利用終了”としたときに,“利用計画の策定”において,利用者が実施すべき事項はどれか。

  1. クラウドサービスの利用目的,利用範囲,利用による期待効果を検討し,クラウドサービスに求める要件やクラウド事業者に求めるコントロール水準を定める。
  2. クラウド事業者がSLAなどを適切に遵守しているかモニタリングし,また,自社で構築しているコントロールの有効性を確認し,改善の必要性を検討する。
  3. クラウド事業者との間で調整不可となる諸事項については,自社による代替策を用意した上で,クラウド事業者との間でコントロール水準をSLAなどで合意する。
  4. 複数あるクラウド事業者のサービス内容を比較検討し,自社が求める要件及びコントロール水準が充足できるかどうかを判定する。

解答・解説

 

 A社は,ソリューションプロバイダから,顧客に対するワントゥワンマーケティングを実現する統合的なソリューションの提案を受けた。この提案が該当するソリューションとして,最も適切なものはどれか。

  1. CRMソリューション
  2. HRMソリューション
  3. SCMソリューション
  4. 財務管理ソリューション

解答・解説

 

 企業の業務システムを,自社のコンピュータでの運用からクラウドサービスの利用に切り替えるときの留意点はどれか。

  1. 企業が管理する顧客情報や従業員の個人情報を取り扱うシステム機能は,リスクを検討するまでもなく,クラウドサービスの対象外とする。
  2. 企業の情報セキュリティポリシやセキュリティ関連の社内規則と,クラウドサービスで提供される管理レベルとの不一致の存在を確認する。
  3. クラウドサービスの利用開始に備え,自社で保有しているサーバの機能強化や記憶域の増加を実施する。
  4. 事業継続計画は自社の資産の範囲で実施することを優先し,クラウドサービスを利用する範囲から除外する。

解答・解説

 

 クラウドサービスの導入事例のうち,データから新たな知見を抽出し,付加価値として提供しているものはどれか。

  1. 顧客データ管理システムのサーバリソースとして,クラウドサービスを活用することによって,新しいサーバの構築期間を,クラウドサービス導入前の約2か月間から1日に短縮した。
  2. 個々の自動車から得た位置情報とブレーキ作動情報をクラウドサービスを用いて蓄積し,急ブレーキが頻繁に踏まれる危険地点を分析し,その結果を運転者などに配信することによって,事故を未然に防止した。
  3. 自社運用のメールサーバのアプリケーションとデータを,クラウドサービスに移行することによって,5年間のTCOを約半分に削減した。
  4. 自社環境で動く情報システムに格納されたデータとソフトウェアを,クラウドサービスを用いてバックアップすることによって,事業継続性を担保した。

解答・解説

 

システム活用促進・評価

 システム管理基準(平成30年)によれば,ITシステムの運用・利用におけるログ管理に関する記述のうち,適切なものはどれか。

  1. 取得したログは,不正なアクセスから保護し,内容が改ざんされないように保管する。
  2. 通常の運用範囲を超えたアクセスや違反行為に関するログを除外し,運用の作業ログ,利用部門の活動ログを記録し,保管する。
  3. 特権的アクセスのログは,あまり重要ではないので,分析対象から除外する。
  4. 保管したログは,情報セキュリティインシデントが発生した場合にだけ分析し,分析結果に応じて必要な対策を講じる。

解答・解説

 

 レコメンデーション(お勧め商品の提案)の例のうち,協調フィルタリングを用いたものはどれか。

  1. 多くの顧客の購買行動の類似性を相関分析などによって求め,顧客Aに類似した顧客Bが購入している商品を顧客Aに勧める。
  2. カテゴリ別に売れ筋商品のランキングを自動抽出し,リアルタイムで売れ筋情報を発信する。
  3. 顧客情報から,年齢,性別などの人口動態変数を用い,“20代男性”,“30代女性”などにセグメント化した上で,各セグメント向けの商品を提示する。
  4. 野球のバットを購入した人に野球のボールを勧めるなど商品間の関連に着目して,関連商品を提示する。

解答・解説

 

 オープンデータの説明はどれか。

  1. 営利・非営利の目的を問わず二次利用が可能という利用ルールが定められており,編集や加工をする上で機械判読に適し,原則無償で利用できる形で公開された官民データ
  2. 行政事務の効率化・迅速化を目的に,国,地方自治体を相互に接続する行政専用のネットワークを通じて利用するアプリケーションシステム内に,安全に保管されたデータ
  3. コンビニエンスストアチェーンの売上データや運輸業者の運送量データなど,事業運営に役立つデータであり,提供元が提供先を限定して販売しているデータ
  4. 商用のDBMSに代わりオープンソースのDBMSを用いて蓄積されている企業内の基幹業務データ

解答・解説

 

 ビッグデータを有効活用し,事業価値を生み出す役割を担う専門人材であるデータサイエンティストに求められるスキルセットを表の三つの領域と定義した。データサイエンス力に該当する具体的なスキルはどれか。

データサイエンティストに求められるスキルセット
ビジネス力 課題の背景を理解した上で,ビジネス課題を整理・分析し,解決するカ
データサイエンス力 人工知能や統計学などの情報科学に関する知識を用いて,予測,検定,関係性の把握及びデータ加工・可視化するカ
データエンジアリング力 データ分析によって作成したモデルを使えるように,分析システムを実装,運用するカ
  1. 扱うデータの規模や機密性を理解した上で,分析システムをオンプレミスで構築するか,クラウドサービスを利用して構築するかを判断し,設計できる。
  2. 事業モデル,バリューチェーンなどの特徴や事業の主たる課題を自力で構造的に理解でき,問題の大枠を整理できる。
  3. 分散処理のフレームワークを用いて,計算処理を複数サーバに分散させる並列処理システムを設計できる。
  4. 分析要件に応じ,決定木分析,ニューラルネットワークなどのモデリング手法の選択,モデルへのパラメタの設定,分析結果の評価ができる。

解答・解説