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AP 令和7年度春期 問3

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 AIにおける機械学習の過程において,過学習と疑われたときの解消方法として最も適切なものはどれか。

  1. 訓練した時と同じ精度を出すために,訓練データをテストデータとして使用する。
  2. 精度を高めるために,元の訓練データに加工を施し,訓練データの量を増やす。
  3. 予測した結果に近づけるために,モデルをより複雑にする。
  4. より多くの未知のデータに対して予測できるように,汎化性能を下げる。

解答・解説

解答

 イ

解説

 AIにおける機械学習の過程で過学習が疑われた際の解消方法は、次のようなものがあります。

  • より多くの訓練データを収集する
  • モデルの複雑さを軽減する
  • 特徴量の見直しと削減
  • 正則化(Regularization)を導入する
  • データ拡張(Data Augmentation)
  • バッチ正規化(Batch Normalization)
  • アンサンブル学習(Ensemble Learning)

 

  1. 訓練した時と同じ精度を出すために,訓練データをテストデータとして使用する。
    訓練データで学習したモデルを同じ訓練データで評価すると、過剰に良い結果が出てしまい、モデルの汎化性能(未知のデータに対する予測能力)を正しく評価できません。過学習の兆候を見逃す可能性が高くなります。テストデータは、モデルが学習に一切触れていない未知のデータを使用する必要があります。

  2. 精度を高めるために,元の訓練データに加工を施し,訓練データの量を増やす。
    適切です。
    データ拡張は、既存の訓練データに様々なランダムな変換(回転、移動、拡大縮小、ノイズ付加など)を施すことで、実質的に訓練データのバリエーションを増やし、モデルが訓練データの特定の特徴に過剰に適合するのを防ぎ、汎化性能を向上させる効果があります。

  3. 予測した結果に近づけるために,モデルをより複雑にする。
    モデルをより複雑にすることは、訓練データに対する適合度を高める可能性がありますが、過学習を悪化させる可能性が高いです。過学習は、モデルが訓練データのノイズまで学習してしまうことで起こるため、複雑なモデルほどそのリスクが高まります。

  4. より多くの未知のデータに対して予測できるように,汎化性能を下げる。
    過学習の解消の目的は、汎化性能を向上させることです。汎化性能を下げることは、未知のデータに対する予測能力を意図的に悪くすることになり、過学習の解決策としては逆効果です。

参考情報

分野・分類
分野 テクノロジ系
大分類 基礎理論
中分類 基礎理論
小分類 情報に関する理論
出題歴
  • AP 令和7年度春期 問3

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