AとBとの間で、甲マンション707号室を代金2,000万円でAがBに売却する旨の契約(以下「本件売買契約」という。)が結ばれた。その後、Bは代金全額をAに支払ったが、Aは履行期を過ぎても同室をBに引き渡していない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- BがAに対して707号室の引渡債務の強制履行を裁判所に請求するには、Aの責めに帰すべき事由によって同室の引渡しが遅滞している必要がある。
- Aの責めに帰すべき事由によって707号室の引渡しが遅滞している場合において、BがAに対して履行遅滞による損害賠償を請求するには、相当の期間を定めて同室の引渡しを催告しなければならない。
- Aの責めに帰すべき事由によって707号室の引渡しが遅滞している場合において、Bが履行遅滞を理由として本件売買契約を解除したときには、Bは、Aに対し、707号室の引渡しが遅滞したことによって生じた損害の賠償を請求することができない。
- Aの責めに帰すべき事由によって707号室の引渡しが遅滞している場合において、Aが707号室をCに売却し、AからCへの同室の所有権移転登記がなされたときには、Bは、Aに対し、履行不能によって生じた損害の賠償を請求することができる。
解答・解説
解答
4
解説
- BがAに対して707号室の引渡債務の強制履行を裁判所に請求するには、Aの責めに帰すべき事由によって同室の引渡しが遅滞している必要がある。 ❌
誤りです。 - Aの責めに帰すべき事由によって707号室の引渡しが遅滞している場合において、BがAに対して履行遅滞による損害賠償を請求するには、相当の期間を定めて同室の引渡しを催告しなければならない。 ❌
誤りです。 - Aの責めに帰すべき事由によって707号室の引渡しが遅滞している場合において、Bが履行遅滞を理由として本件売買契約を解除したときには、Bは、Aに対し、707号室の引渡しが遅滞したことによって生じた損害の賠償を請求することができない。 ❌
誤りです。 - Aの責めに帰すべき事由によって707号室の引渡しが遅滞している場合において、Aが707号室をCに売却し、AからCへの同室の所有権移転登記がなされたときには、Bは、Aに対し、履行不能によって生じた損害の賠償を請求することができる。 ⭕️
正しいです。