日本のバブル経済とその崩壊に関する次の文章の空欄 Ⅰ ~ Ⅴ に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。
1985 年のプラザ合意の後に Ⅰ が急速に進むと、 Ⅱ に依存した日本経済は大きな打撃を受けた。 Ⅰ の影響を回避するために、多くの工場が海外に移され、産業の空洞化に対する懸念が生じた。
G 7 諸国の合意によって、為替相場が安定を取り戻した 1987 年半ばから景気は好転し、日本経済は 1990 年代初頭まで、平成景気と呼ばれる好景気を持続させた。 Ⅲ の下で調達された資金は、新製品開発や合理化のための投資に充てられる一方で、株式や土地の購入にも向けられ、株価や地価が経済の実態をはるかに超えて上昇した。こうした資産効果を通じて消費熱があおられ、高級品が飛ぶように売れるとともに、さらなる投資を誘発することとなった。
その後、日本銀行が Ⅳ に転じ、また Ⅴ が導入された。そして、株価や地価は低落し始め、バブル経済は崩壊、平成不況に突入することとなった。
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | |
1 | 円安 | 外需 | 低金利政策 | 金融引締め | 売上税 |
2 | 円安 | 輸入 | 財政政策 | 金融緩和 | 売上税 |
3 | 円高 | 輸出 | 低金利政策 | 金融引締め | 地価税 |
4 | 円高 | 外需 | 財政政策 | 金融緩和 | 売上税 |
5 | 円高 | 輸入 | 高金利政策 | 金融引締め | 地価税 |
出典:令和2年度 問題49
解答
3
解説
適切に穴埋めした文章は次の通りです。
1985 年のプラザ合意の後に 円高 が急速に進むと、 輸出 に依存した日本経済は大きな打撃を受けた。 Ⅰ の影響を回避するために、多くの工場が海外に移され、産業の空洞化に対する懸念が生じた。
G 7 諸国の合意によって、為替相場が安定を取り戻した 1987 年半ばから景気は好転し、日本経済は 1990 年代初頭まで、平成景気と呼ばれる好景気を持続させた。 低金利政策 の下で調達された資金は、新製品開発や合理化のための投資に充てられる一方で、株式や土地の購入にも向けられ、株価や地価が経済の実態をはるかに超えて上昇した。こうした資産効果を通じて消費熱があおられ、高級品が飛ぶように売れるとともに、さらなる投資を誘発することとなった。
その後、日本銀行が 金融引締め に転じ、また 地価税 が導入された。そして、株価や地価は低落し始め、バブル経済は崩壊、平成不況に突入することとなった。